中核農家(読み)ちゅうかくのうか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中核農家」の意味・わかりやすい解説

中核農家
ちゅうかくのうか

60歳未満で年間 150日以上農業に従事する基幹男子農業専従者がいる農家。 1973年度の農業白書で初めて導入された概念で,92年の 54万 9500戸は総農家個数の約 19%,経営耕地面積の約 50%を占めている。さらに農業粗生産額に占める割合は約 60%に達しており,文字どおり農業の中核をになう形となっている。ただ,稲作におけるシェアは約 30%でしかなく,他部門と合せた複合経営所得を確保している。専従者の高齢化や後継者不足で年々戸数は減少しており,個別経営体などへの移行課題となっている。

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世界大百科事典(旧版)内の中核農家の言及

【農業】より

…その一つは,中核となる農業の担い手農家を育成することであり,1960年代以降,自立経営農家の育成が試みられてきた(農業基本法農政がこれである)。その後,70年代の末ころから,より幅を広げた〈中核農家〉(中核となって農業を担っていく農家)の育成が目標とされ,農地の流動化(売買,賃貸借,農業経営の受委託など)を進め,中核農家へ集中させることによって,農業構造の合理的再編を図ることが課題とされるようになっている。また〈中核農家〉を中心に,農業生産の集団的組織化,その協業化,農作業の受委託を推進することも,重要な課題とされている(〈農業生産組織〉および〈農業経営受委託〉の項目参照)。…

※「中核農家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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