日本大百科全書(ニッポニカ) 「中桐雅夫」の意味・わかりやすい解説
中桐雅夫
なかぎりまさお
(1919―1983)
詩人。福岡県に生まれる。本名白神鉱一。日本大学芸術科卒業。神戸高等商業時代『LUNA』『LE BAL』を創刊、鮎川信夫(あゆかわのぶお)、北村太郎らを知り、第二次世界大戦後ともに同人誌『荒地(あれち)』を創刊、以後戦後詩潮流の中心部にあって、独特の生の重い響きを歌う。『中桐雅夫詩集』(1964)、具体的な自己の生きざまを原点に据えた『夢に夢みて』(1972)、詩人独自の営為とことばへの不信を主題とした『会社の人事』(1979)などのほか、詩人論に『危機の詩人』(1953)、『20世紀の詩人たち』(1972)など。英米詩人、ミステリーものの翻訳も多い。
[原 子朗]
『『中桐雅夫詩集』(1971・思潮社)』▽『清水昶著『詩人の肖像』(1981・思潮社)』