中筋川(読み)なかすじがわ

日本歴史地名大系 「中筋川」の解説

中筋川
なかすじがわ

宿毛すくも平田ひらたに発する平田川と、同市山田やまだに発する山田川、それに横瀬よこぜ川とが中村市九樹くじゆうで合流して中筋川となり、宇和うわ渭南いなんの両山地に挟まれた地溝状の中村平野(中筋平野)を東流して実崎さんざき四万十しまんと(渡川)に合流する。延長流路二八キロ、流域面積一四九平方キロ。一級河川。もとは坂本さかもとで四万十川に合流していた。

上流下流でほとんど高低差がないばかりか、中流域では下流域より低いところもあり、そのうえ合流点で四万十川との落差がないこともあって、排水がきわめて悪い。雨期には四万十川の水が逆流してしばしば氾濫し、中央の低平部は不毛の湿地であった。江戸時代、執政野中兼山は水の流れを変えて良田を得るとともに、舟運の便を図るために一部掘替工事を行った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の中筋川の言及

【中村平野】より

…高知県南西部,四万十(しまんと)川(渡川)の支流中筋川の流域を中心に四万十川,後(うしろ)川のはんらん原を含んだ小規模な平野。中筋平野ともいう。…

※「中筋川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android