中足(読み)ちゅうあし

精選版 日本国語大辞典 「中足」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐あし【中足】

〘名〙
① 足を少し高くあげた気取った歩き方。
咄本・遊小僧(1694)五「腰すへての中(チウ)あし、〈略〉しゃらりしゃらりととをりける」
歌舞伎大道具二重舞台の一つで、高足(たかあし)よりは低く、常足(つねあし)尺高(しゃくだか)より高いもの。現行は二尺一寸(約六四センチメートル)。
※歌舞伎・阿国御前化粧鏡(1809)五立「本舞台〈略〉中足(チウアシ)にて結構なる御殿

なか‐あし【中足】

〘名〙 陰茎
※雑俳・紀玉川(1819‐25)二「廓ふんだは中足のわざ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「中足」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐あし【中足】

歌舞伎の大道具の一。二重舞台で、高さが高足たかあし常足つねあしとの中間のもの。現行のものは2尺1寸(約64センチ)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の中足の言及

【大道具】より

… 歌舞伎の大道具は,基本的には〈二重(にじゆう)〉と〈張物(はりもの)〉の二つで構成される。二重とは舞台の床と平行で一段高い,家屋,土手,山などの土台を作る台のことで,高さによって常足(つねあし),中足(ちゆうあし),高足(たかあし)などの種類がある。張物とは,家屋の壁や背景などのために舞台に立てる板状のもののことで,ふつう縦2間(約3.6m)横6尺(約1.8m)の大きさで,1寸(約3cm)角の木材で枠を作り,桟をつけ紙を張って作る。…

【歌舞伎】より

…定式(じようしき)の大道具の基本は〈二重〉と〈張物〉から成り立っている。〈二重〉は高さに4段階があり,〈高足(たかあし)〉〈中足(ちゆうあし)〉〈常足(つねあし)〉〈尺高(しやくだか)〉と呼ぶ。その上に屋体(やたい)を組むほか,土手なども作る。…

※「中足」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android