中野市右衛門(初代)(読み)なかの・いちえもん

朝日日本歴史人物事典 「中野市右衛門(初代)」の解説

中野市右衛門(初代)

没年寛永16.4.6(1639.5.8)
生年:生年不詳
江戸初期に創業し宝永(1704~11)ごろまで続いた京都書肆初代。名は道伴,号は豊雪斎。書肆中野小左衛門はその弟。京都書林の祖ともいわれ,寛永期(1624~44)に古活字版を含む盛んな出版活動を行った。禅僧文之の門下とされ,文之点『四書集註』や『南浦文集』,自ら点を付す『傷寒六書』を出版。刊行書は,比叡山から権利譲渡された古活字版『天台名目類聚鈔』などの仏書のほか,儒書,医書から和漢の種々におよぶ。店は寺町通四条上ル大文字町。<参考文献>安藤武彦「出版書林中野道伴伝関係資料」(『日本古書通信』376号),森潤三郎「書肆の大家」(『考証学論攷』)

(安永美恵)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中野市右衛門(初代)」の解説

中野市右衛門(初代) なかの-いちえもん

?-1639 江戸時代前期の版元
初代中野小左衛門の兄。京都の人。寛永(1624-44)のころに仏書,儒書,医書などを出版する。東福寺の禅僧文之玄昌(ぶんし-げんしょう)の門下といわれる。「四書集註」「傷寒六書」などを出版。寛永16年4月6日死去。名は道伴。号は豊雪斎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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