中風(読み)ちゅうぶ

精選版 日本国語大辞典 「中風」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐ぶ【中風】

〘名〙
小右記‐長和四年(1015)一二月二九日「平宰相〈略〉言語不正、進退失例。若中風歟」
御湯殿上日記‐長享元年(1487)九月二九日「かち井殿御ちうふのよしききまいらせられて文まいらせらるる」
医心方(984)三「源論云、中風者、風気中於人也」

ちゅう‐ふう【中風】

〘名〙 (「ちゅうぶう」とも)
脳卒中発作の後で現われる半身不随のこと。運動神経大脳皮質よりの下行路の部分脳血管障害が起きたための症状脳出血または脳梗塞によることが多い。中気。中症。ちゅうぶ。〔饅頭屋本節用集(室町末)〕 〔漢書‐叙伝・上〕
② (「かぜ」に中(あた)る意) かぜをひくこと。かぜひき。風邪感冒。ちゅうぶ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「中風」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐ふう【中風】

《「ちゅうぶう」とも。悪風あたる意》脳卒中の発作の後遺症として主に半身不随となる状態。中気。ちゅうぶ。

ちゅう‐ぶ【中風】

ちゅうふう(中風)」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「中風」の読み・字形・画数・意味

【中風】ちゆうふう

中気。身体がしびれる。〔漢書、叙伝上〕家は本(もと)北邊、志(かうがい)。~上(しやう)、(班)伯を(め)す。~にて中風をむ。に至り、~賞賜甚だ厚し。數年なるも、未だ(た)つこと能はず。

字通「中」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中風」の意味・わかりやすい解説

中風
ちゅうぶ

悪風(あくふう)に中(あた)る意で、「ちゅうふう」とも読み、脳卒中の発作後にみられる片麻痺(へんまひ)(半身不随)をさす場合が多い。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「中風」の意味・わかりやすい解説

中風 (ちゅうぶう)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中風」の意味・わかりやすい解説

中風
ちゅうぶう
palsy

中気ともいう。後天的な半身不随,顔面,腕または脚の麻痺運動障害などの症候群をいう。脳,脊髄の炎症や外傷など器質的病変によっても起るが,普通は脳卒中の後遺症として現れるものをさす。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「中風」の意味・わかりやすい解説

中風【ちゅうぶう】

脳卒中

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の中風の言及

【脳卒中】より

…脳血管障害では意識障害や運動麻痺を必ずしも示すとは限らないが,広義に解釈して急性型の脳血管障害という意味で用いることも多い。また,中風(ちゆうふう∥ちゆうぶう)または中気という言葉が脳卒中と同義に用いられることもあるが,一般には,卒中発作後,後遺症として半身不随(片麻痺)などの運動麻痺を残した状態をいうことが多い。
[原因疾患]
 (1)脳出血(脳溢血(のういつけつ)),(2)脳梗塞(のうこうそく),(3)くも膜下出血,(4)高血圧性脳症などがある。…

【病気】より

…初期に考えられていた病変を起こす気は外界にある邪気で,風とか湿のような形をとって体内に侵入するとした。とくに重視されたのは風邪(ふうじや)であって,たとえば中風はもとは風邪によって起こされた発熱性疾患であり,破傷風は傷口に風邪が侵入して起こった病気という考えであった。したがって,その治療にも薬物などのほかにまじないが重視された。…

【風病】より

…後世では風邪は風湿とか風寒というように湿邪とか寒邪といっしょになって病変を起こすとされていることが多い。中風ももとは風病の一種で,感冒のようなものとされていた。【赤堀 昭】。…

※「中風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android