丸岡桂(読み)まるおか かつら

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「丸岡桂」の解説

丸岡桂 まるおか-かつら

1878-1919 明治-大正時代歌人,謡曲研究家。
明治11年10月17日生まれ。丸岡莞爾(かんじ)の長男歌誌「あけぼの」「莫告藻(なのりそ)」を創刊する。明治36年板倉屋書房を創立し,義弟松下大三郎と「国歌大観」を刊行。のち謡曲研究に専心,観世流改訂本刊行会を設立し,大正3年「謡曲界」を創刊した。大正8年2月12日死去。42歳。東京出身。号は月の桂のや,小桜など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「丸岡桂」の意味・わかりやすい解説

丸岡桂
まるおかかつら

[生]1878.10.7. 東京
[没]1919.2.12. 東京
歌人,能楽研究家。沖縄県・高知県知事を歴任し,詩歌・謡曲に造詣の深い文人であった丸岡莞爾の長男。 1907年観世流改訂謡本刊行会 (現能楽書林) を創業観世清之と提携して 08~09年従来の謡本を一新した謡本 41冊,210番を発行した。著書に『古今謡曲解題』 (1919) がある。長男は作家丸岡明,次男は能楽評論家丸岡大二。

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世界大百科事典(旧版)内の丸岡桂の言及

【謡本】より

…幕末までに刊行された謡本は約2000種を数えるが,その約8割は観世流本である。これらの本の譜は,特殊な例外を除くと,みな細かい符号が省かれており,師匠の蔵本で補う必要があったが,1908年丸岡桂が刊行した〈観世流改訂謡本〉が旧来の不備を一新し,見てすぐ謡える譜本という傾向になり,記譜法にも改良が加わって,解題,辞解,曲趣,扮装,型付などを添えるようになった。現行謡本では,流内の統一を企図した〈観世流大成版〉(205番),地拍子を印刷した〈宝生流参考謡本〉(180番),改良を重ねた〈喜多流新全曲謡本〉(170番)などがすぐれている。…

※「丸岡桂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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