之繞（読み）しにょう

精選版 日本国語大辞典

し‐にょう ‥ネウ【之繞】

〘名〙 ＝しんにょう（之繞）

※壒嚢鈔（1445‐46）三「道の字等をしねうの字と云は、之の字を遶(めぐら)すと云心歟。之の字に非す。辵の字丑略反、走也。行也。是を、四画に書故に、四遶と云也。辶と書也」

[語誌]辶の形が「之」に似ているところからの名。「天治本新撰字鏡」の巻頭の「篇立次第」に「之繞部」があり、この名の古いことがわかる。

しん‐にょう ‥ネウ【之繞】

〘名〙 (「しにょう（之繞）」の変化した語) 漢字の繞(にょう)の一つ。「近」「道」「送」などの「辶」の部分（常用漢字以外は「辶」を用いる）をいう。この繞をもつ字は、字典で「辵」部に属する。しんにゅう。しにゅう。

※史記抄（1477）五「使黔道自実田也と注したが、道字の之遶が過ぎたぞ。黔首でこそあらうずれぞ」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

しん‐にょう〔‐ネウ〕【^×之^×繞】

《「しにょう」の撥音添加》漢字の繞の一。「近」「逢」などの「⻌」「辶」の称。しんにゅう。

しん‐にゅう【^×之^×繞】

「しんにょう（之繞）」の音変化。

出典　小学館