乗輿(読み)じょうよ

精選版 日本国語大辞典 「乗輿」の意味・読み・例文・類語

じょう‐よ【乗輿】

〘名〙
① (「輿」はこしの意) 天子の乗る乗り物。天子の車馬。
※続日本紀‐養老六年(722)正月壬戌「正四位上多治比真人三宅麻呂坐告謀反、正五位上穂積朝臣老指斥乗輿」 〔孟子‐梁恵王・下〕
② 行幸中の天子をうやまっていう。
令義解(718)儀制「天子。〈略〉乗輿。〈服御所称〉車駕。〈行幸所称〉」 〔独断‐上〕
③ 天子が輿に乗ること。のちには、一般にもいった。
山槐記‐保元四年(1159)正月九日「御剣置御輿、次主上御乗輿。関白取御裾給」
④ (一般的に) 乗り物。
評判記色道大鏡(1678)一四婦人の乗輿に、年老たる侍・若党など付る事勿論也」

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デジタル大辞泉 「乗輿」の意味・読み・例文・類語

じょう‐よ【乗×輿】

天子の乗り物。
天子敬称
輿こしなど乗り物。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「乗輿」の読み・字形・画数・意味

【乗輿】じようよ

天子の車。〔資治通鑑、漢紀六十〕(献帝、建安二十四年)に乘輿をして播越(はゑつ)し、宗丘墟となり、王室(たうふく)し、烝民をして塗ならしむ。

字通「乗」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の乗輿の言及

【籠】より

…竹,蔓,木の小枝,針金などを編んでつくった入れ物。語源は定かではないが,上代に〈こ〉と呼ばれていたことを考えれば,〈か〉の由来する言葉との合成語であることがわかる。すなわち〈か〉は竹の意とも堅の意ともいわれ,〈こ〉に形容的に冠している。あるいはまた,構籠(かきご)や囲むの略義であろうとする説もある。籠の文献上の用例としては,まず鎌倉時代に書かれた《名語記》の〈こころ流浪の行人のせなかに負たる籠をかこおひとなつけたり〉をあげることができる。…

※「乗輿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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