九州-山口の近代化産業遺産群(読み)きゅうしゅうやまぐちのきんだいかさんぎょういさんぐん

世界遺産詳解 の解説

きゅうしゅうやまぐちのきんだいかさんぎょういさんぐん【九州-山口の近代化産業遺産群】

2009年に日本の世界遺産暫定リストに記載された産業遺産。「明治日本の産業革命遺産‐九州・山口と関連地域及び関連地域」の名称でユネスコ世界遺産センターへ推薦書を提出した。山口県から九州にかけては、明治時代以降の日本の近代化の大きな原動力になった製鉄所や炭鉱をはじめとした近代化産業遺産群が保存されている。九州・山口の近代化産業遺産群は、幕末期の西洋技術の導入や、その後の近代工業化の過程を示す普遍的価値の高い資産群として評価されている。登録を目指す資産は、山口県の萩反射炉恵美須ヶ鼻造船所跡松下村塾、福岡県の官営八幡製鐵所、旧本事務所、旧鍛冶工場、修繕工場、三池炭鉱宮原坑三池港、佐賀県の三重津海軍所跡、熊本県の三池炭鉱旧万田坑、三角旧港、長崎県の小菅修船場跡旧グラバー住宅高島炭鉱、端島炭坑、鹿児島県の旧集成館、寺山炭窯跡、関吉の疎水溝などの28資産に、岩手県の橋野高炉跡及び関連遺跡と静岡県の韮山(にらやま)反射炉が加わった。山口県から鹿児島県までに加え、岩手県、静岡県の資産もあり、広大なエリアの該当史跡を網羅したことで、寄せ集めの感はぬぐえず、保存状態に関しても不十分なものが多い。

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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