乳臭(読み)ちちくさい

精選版 日本国語大辞典 「乳臭」の意味・読み・例文・類語

ちち‐くさ・い【乳臭】

〘形口〙 ちちくさ・し 〘形ク〙
① 乳のにおいがする。ちくさい。
十三夜(1895)〈樋口一葉〉下「何で乳くさい子供の顔見て発心が出来ませう」
② 子どもっぽい。幼稚である。思慮が浅い。若者をあざけっていう場合にも用いる。ちくさい。
浄瑠璃・姫小松子日の遊(1757)二「乳(チチ)くさい形りをして」
※こども(1968)〈北杜夫〉二「おそらく妹ならこう言うであろうと思われる単純な乳くさいお話をした」
ちちくさ‐さ
〘名〙

ち‐くさ・い【乳臭】

〘形口〙 ちくさ・し 〘形ク〙
※詩学大成抄(1558‐70頃)一「初心なことを口猶乳臭(チクサシ)と云たぞ」
※歌舞伎・宝莱曾我島物語(島の徳蔵)(1870)二幕「まだ子供、乳臭(チクセ)えやうに思はれて」

にゅう‐しゅう ‥シウ【乳臭】

〘名〙
① 乳(ちち)のにおいのすること。また、その年頃
小右記‐寛仁二年(1018)五月四日「皆是年少人等也。口猶乳臭」
② (形動) 幼く未熟なこと。また、そのさま。年少で経験の浅いことをあざけっていう語。
※久保清太郎宛吉田松陰書簡‐安政六年(1859)三月末頃「子楫輩乳臭にて和作が深思を知らぬは無理からぬことなれども」 〔漢書‐高帝本紀〕

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デジタル大辞泉 「乳臭」の意味・読み・例文・類語

にゅう‐しゅう〔‐シウ〕【乳臭】

乳のにおい。また、乳のにおいがすること。転じて、幼く未熟なこと。「乳臭が取れない若者」

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普及版 字通 「乳臭」の読み・字形・画数・意味

【乳臭】にゆうしゆう

幼稚なようす。

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