亀井氏(読み)かめいうじ

改訂新版 世界大百科事典 「亀井氏」の意味・わかりやすい解説

亀井氏 (かめいうじ)

近世大名。もと紀伊の神官豪族。初め鈴木を名のったが,六郎重清のとき,源義経に従い,その子盛清は紀伊亀井に住んで氏としたという。戦国期に出雲に移り尼子家臣となる。秀綱に男子なく,出雲の豪族湯茲矩(これのり)が亀井家を継ぎ,尼子氏滅亡後は織田信長豊臣秀吉に仕えて因幡鹿野城主関ヶ原の戦では東軍に属し,3万8000石に加増。1617年(元和3)その子政矩のとき,石見津和野移封(4万3000石)。維新後,子爵
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「亀井氏」の意味・わかりやすい解説

亀井氏
かめいうじ

近世の大名家。はじめ紀伊国の豪族で、紀伊国亀井に居住したことから亀井を名乗り、戦国期に出雲(いずも)へ移ったという。尼子(あまご)氏の家臣であったが、子孫が絶え、出雲の豪族湯(ゆ)氏の新十郎茲矩(これのり)が跡を継いだ。亀井茲矩は山中鹿介幸盛(しかのすけゆきもり)、ついで羽柴(はしば)秀吉に属し、1581年(天正9)因幡国(いなばのくに)鹿野(しかの)城主(1万3800石)となる。関ヶ原の戦では東軍に属して3万8000石に加増された。1617年(元和3)茲矩の子政矩のときに石見国(いわみのくに)津和野(つわの)藩へ転封(てんぽう)され、4万3000石。そのまま明治に至った。

[小島道裕]

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