精選版 日本国語大辞典 「亀甲」の意味・読み・例文・類語
かめ‐の‐こう ‥カフ【亀甲】
〘名〙
① 亀の背中をおおう堅いから。亀のこうら。古代では占いに用いた。細工物の原料として使われる。
※延喜式(927)三「凡年中所レ用亀甲、惣五十枚為レ限」
※柴田退治記(1583)「巖上聳櫓楼門寄二亀甲一、入二金掘数百人一掘レ之」
③ 城を攻める兵士が自分の身を覆い、かばうために用いた楯(日葡辞書(1603‐04))。
⑤ (面) 近世後期の弁才造荷船の二の間(三番船梁と三の間船梁のあいだ)上部に張りつめる水密甲板。下は水主の屋室や道具の入れ場所とする。通常甲板(かんばん)とか合羽(かっぱ)と呼ぶことが多い。また、船首小間の甲板をいうこともある。〔和漢船用集(1766)〕
⑦ おきゅうをすえた跡。灸点(きゅうてん)。
※雑俳・西国船(1702)「あついぞや、私もすへたがかめのこう」
きっ‐こう ‥カフ【亀甲】
〘名〙
※将門記(940頃か)「亀甲新たながらも東岸に(ほろ)びぬ」
※古事談(1212‐15頃)六「亀甲御占ひには」
② 六角形の折櫃(おりびつ)か。
③ 「きっこうがた(亀甲形)」の略。
※西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)一二月二五日「亀甲錦袍二領」
④ 「こひれ(小鰭)」の異称。
※太平記(14C後)一七「船軍に馴たる兵共と覚て、亀甲(キッコウ)・下濃の瓜の紋」
⑥ 括弧(かっこ)の一つ。〔 〕の形のもの。
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