亀腹(読み)カメバラ

デジタル大辞泉 「亀腹」の意味・読み・例文・類語

かめ‐ばら【亀腹】

建築物基礎部分、多宝塔の上下両層の間、鳥居の柱脚部などを、白漆喰しろしっくいなどで固めてまんじゅう形に造ったもの。
腸などに水やガスがたまって腹が膨れ、静脈亀甲きっこう模様のように現れたもの。〈和名抄

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精選版 日本国語大辞典 「亀腹」の意味・読み・例文・類語

かめ‐ばら【亀腹】

〘名〙
① 腸管内に水またはガスがたまり、腹部がふくれて静脈が亀甲のように青く現われる病気腸満(ちょうまん)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
妊婦の腹のこと。
浄瑠璃・姫小松子日の遊(1757)二「つい亀腹に成って戻る」
③ 建築物の基礎の部分や、鳥居の柱下などを丸く漆喰(しっくい)などで固めた、まんじゅう形の部分。
信長公記(1598)首「大堀霞むばかりかめ腹にほり上げ、丈夫に構へ候」

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世界大百科事典(旧版)内の亀腹の言及

【社寺建築構造】より

…飛鳥・奈良時代の基壇は一般に高さが高く,なかには法隆寺の金堂,五重塔のように二重に築いたり,夢殿のように壇上に高(勾)欄を巡らしたものもあるが,しだいに低くなり,普通は一重である。平安時代に仏堂内部に床板を張るようになると,周囲に縁(えん)ができて,基壇はその下に隠れ,土を盛って周囲を漆喰(しつくい)などで塗った亀腹(かめばら)が用いられる(図2)。近世にはさらにこの亀腹もなくなり,地表面の高さに礎石をすえるのが一般的になる。…

※「亀腹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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