亀足(読み)きそく

精選版 日本国語大辞典 「亀足」の意味・読み・例文・類語

き‐そく【亀足】

〘名〙 (紙のはしをひねっておく形が亀(かめ)の足に似ているところから)
① 焼いた鳥肉の足、または串焼きの魚の串の手もとを、紙で巻いてその余りをひねっておくもの。手に持って食べるときに指がよごれないためのもの。紙以外に銀箔(ぎんぱく)金箔なども使用。
※四条流庖丁書(1489)「一、亀足の事。〈略〉組付の上下によりて亀足の巻様替べし」
② 金箔、銀箔を紙に貼りつけて作り食物の上に添える飾りの花。〔日葡辞書(1603‐04)〕
折敷(おしき)折櫃(おりびつ)などに敷いた紙の四隅を、上に折り返しておくもの。
※四条流庖丁書(1489)「世の常の紙に箔にても、又はべになにても引て、亀足に用事は常の儀成るべし。〈略〉亀足の紙は薄様成るべし」
④ ふたのない重箱(じゅうばこ)などの容器を紙でおおったとき、その紙がとれないように四隅をひねり合わせておくもの。
随筆・柳亭筆記(1842頃か)一「今蓋なき重箱やうの物に紙をおほひ、其紙のとれざるために紙の四角を捻る事あり。亀足といふ則是なり」

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デジタル大辞泉 「亀足」の意味・読み・例文・類語

き‐そく【亀足】

《紙の端をひねった形が亀の足に似ているところから》
焼いた鳥肉の足や魚のくし焼きの手元を紙で巻き、その端をひねったもの。
折敷おしき折櫃おりびつなどの敷き紙の四隅を、上に折り返したもの。
ふたのない容器に紙をかぶせたとき、とれないようにその四隅をひねったもの。

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食器・調理器具がわかる辞典 「亀足」の解説

きそく【亀足】

➀手が汚れないように、焼いた鶏肉の足や串焼きにした魚の串の手で持つ部分を紙で巻き、余りをひねったもの。
折敷(おしき)などに敷く紙の四隅を上方に折り返したもの。
➂容器のふたがわりに紙をかぶせ、とれないよう四隅をひねること。◆紙の端をひねった形が亀の足に似ることから。

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