二・八宣言(読み)にはちせんげん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「二・八宣言」の意味・わかりやすい解説

二・八宣言
にはちせんげん

第一次世界大戦後の世界秩序再編の動きをいち早く察知した朝鮮人留学生が、1919年2月8日東京で集会し、「朝鮮青年独立団」の名で発表した独立宣言文。宣言文はただちに故国に持ち込まれ、天道教崔麟(さいりん)、キリスト教李昇薫(りしょうくん)に伝達され、本国人民の三・一独立運動決起の引き金の役割を果たした。日本の韓国併合(1910)は詐欺暴力所産であると批判し、ロシア革命、中国革命辛亥(しんがい)革命)を新秩序と評価する思想性の高い文脈のなかで独立朝鮮の必然性をつかみ出している。

[姜 徳 相]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android