二圃式(読み)にほしき

世界大百科事典(旧版)内の二圃式の言及

【農業】より

…翌年の初夏に収穫された刈跡地は,その翌年の春まで放置され,その後はまた上記の浅耕を行う。このような農法を二圃式という。しかし,Iの地域はほとんどが年雨量100mm以下の砂漠で農業は不可能であり,二圃式が可能なのは,Iの地域でもきわめてわずかの地域にすぎない。…

【農具】より

…この型の犂は,古代メソポタミアや古代エジプトにおいて広く使われた。それが二圃式農法(冬作→休閑)とともに,南ヨーロッパに伝わった時期は前1千年紀と考えられているが,形は変わっている。すなわち,犂床の先に犂先がついていたのが認められ,犂を牽引するときの力のバランスをとるための,犂床から前方に腕をのばし,綱を結わえつける犂轅が一般に湾曲していた。…

【麦】より

…湿潤と乾燥の問題については,〈農業〉の項目で考察したが,夏に比較的湿潤な地方で発達した〈中耕農業〉では,夏作物として稲,冬作物として麦が作られるが(年2回の二毛作),夏に比較的乾燥する地方に発達した〈休閑農業〉では,もっぱら麦作が行われている(一毛作)。麦作が最初に行われた西南アジアの山沿いの地域においては,現在でも,麦作は二圃(にほ)式の形をとっている。乾燥・冬雨のこの地方では,夏作物の栽培は不可能なので,春から秋まで耕地を休閑し,犂(すき)で普通2回浅く耕して毛細管現象を起こらなくし,水分の蒸発を防ぐことによって地中に蓄えられた水分で,10月に播種(はしゆ)したコムギの発芽を促す。…

【輪栽式農法】より

…古来ヨーロッパの畑作農業では,作物栽培に伴う地力の減退を防止する目的で,各種の農法が考案されてきた。古く南ヨーロッパの農村共同体では,耕地を2分し,一方に穀物栽培を行い,他方は休閑地として地力の回復と土壌水の確保をはかり,年次を追って両者を交代させていく二圃(にほ)式農法が一般であった。やがて中部ヨーロッパに拡大した農業においては,耕地を3分し,3分の1の耕地を休閑する三圃式農法(三圃制)が一般化してくる。…

※「二圃式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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