二天(読み)ニテン

デジタル大辞泉 「二天」の意味・読み・例文・類語

に‐てん【二天】


二つ天体
天恩と並ぶもう一つの天の意で》恩人を天にたとえていう語。

仁王におう
帝釈天たいしゃくてん梵天ぼんてん
四天王うち持国天増長天。または、多聞天たもんてんと持国天、増長天と多聞天
日天子月天子がってんし
摩醯首羅天まけいしゅらてん毘紐天びちゅうてん

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精選版 日本国語大辞典 「二天」の意味・読み・例文・類語

に‐てん【二天】

[1] 〘名〙
① 二つの天体。
暦象新書(1798‐1802)上「地球は動体の中位にして、金火二天の中間に周旋して」
② (天恩の他にさらにもう一つの天の意で) 恩人を天に並べていう語。
※菅家文草(900頃)三・路遇白頭翁「秋不秋々大成、二天五袴康衢頌」 〔後漢書‐蘇章伝〕
[2]
[一] 仏語。日天子と月天子
[二] 四天王のうち持国と多聞など、二天王を組み合わせたもの。
※日蓮遺文‐如説修行鈔(1273)「二聖、二天、十羅刹女受持の者を擁護し」 〔法苑珠林‐四三〕
[三] 梵天帝釈天
[四] =におう(仁王)(一)(一)

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とっさの日本語便利帳 「二天」の解説

二天

▽(1)多聞天、持国天または増長天、持国天 (2)日天子、月天子 (3)梵天(ぼんてん)、帝釈天(たいしゃくてん) (4)→「二王」(2)

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普及版 字通 「二天」の読み・字形・画数・意味

【二天】にてん

天とならぶもの、恩人。

字通「二」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の二天の言及

【仁王】より

…仏教の寺院において,門の左右に安置される2体の力士形の尊像に対する総称で,二王尊,二天王,二天などとも呼ばれ,二王とも書く。大多数の作例は上半身が裸形の像であるが,古い時代の作例には鎧(よろい)を着けた武将像もある。…

※「二天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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