二宮(町)(読み)にのみや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「二宮(町)」の意味・わかりやすい解説

二宮(町)
にのみや

神奈川県中南部、中郡(なかぐん)にある町。もと吾妻(あづま)村といっていたが、1935年(昭和10)の町制施行とともに二宮町と改称した。町名は、川勾神社(かわわじんじゃ)が古代から旧相模(さがみ)国の二宮(にのみや)であったことにちなむ。JR東海道本線、国道1号と中日本高速道路(NEXCO中日本)が管理する小田原(おだわら)厚木道路、西湘(せいしょう)バイパスが通じている。二宮駅前の商店街が中心市街地。北に大磯丘陵(おおいそきゅうりょう)を負っているため気候が温暖で、早くから野菜の促成栽培が盛んで、ラッカセイも特産。丘陵斜面はミカン園に開かれ、県立園芸試験場があったが、1995年(平成7)平塚市に移転し、跡地は二宮果樹公園となっている。南部の海は山西浦また袖(そで)ヶ浦とよばれ、魚族の豊富さと良質なことで知られ、シラスが有名、磯釣りの名所としても知られる。もともと湘南別荘地の一つであったが、近年海岸段丘上や丘陵の住宅地開発が著しい。西部の旧東海道に沿う梅沢茶屋町は立場(たてば)(宿場間の休憩場)で、いまもその名残(なごり)をとどめる。川勾神社では1月に1年間の農業豊凶を占う筒粥(つつがゆ)神事が行われる。二宮駅近くの吾妻山公園には展望台があり、山の麓(ふもと)に吾妻神社がある。面積9.08平方キロメートル、人口2万7564(2020)。

[浅香幸雄]

『『二宮町史』全4巻(1990~1994・二宮町)』


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