二物(読み)ふたつもの

精選版 日本国語大辞典 「二物」の意味・読み・例文・類語

ふたつ‐もの【二物】

〘名〙
① ふたつのことば。ふたこと。
※大鏡(12C前)三「又ふたつものものたまはで、いでたまひにけり」
二つの物。
(イ) 二つで一組になっている物。
今昔(1120頃か)二八「様々の田楽を、二つ物・三つ物に儲て、打(ののし)り吹き乙(かなで)つつ」
(ロ) 切りさいて二つにすること。また、その二つになった物。
浄瑠璃源平布引滝(1749)一「ヤア蠅虫めら。悪くたかって首と胴との二つ物、怪我まくるな」
(ハ) 二品を組み合わせた料理。ふつうは、饗膳刺身吸物の二品。
滑稽本・四十八癖(1812‐18)四「料理茶屋より誂の三つ物二つ物(モノ)持来るを、下女座敷へ並べる」
③ 江戸時代、大坂堂島の米相場で、五斗俵をいう。〔大坂繁花風土記(1814)〕

に‐ぶつ【二物】

〘名〙 二つの物。にもつ。
歌舞伎三題噺魚屋茶碗(とと屋茶碗)(1882)序幕「天二物(ニブツ)を与へずといふに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「二物」の意味・読み・例文・類語

に‐ぶつ【二物】

二つのもの。「天は二物を与えず」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android