五色(読み)ごしき

精選版 日本国語大辞典 「五色」の意味・読み・例文・類語

ご‐しき【五色】

〘名〙 (「しき」は「色」の呉音)
① 中国古代の五行説では青、黄、赤、白、黒の五種の色。仏教ではこれを五正色とも称し、信、精進、念、定、慧の五根や、五智、五仏などに配する。また、一般に、五種類の色、多種の色をもいう。五彩。いついろ。ごしょく。
※竹取(9C末‐10C初)「たつのくびに、五色の光ある玉あなり」 〔礼記‐礼運〕
② 多くの種類。多種。多様。
浄瑠璃天神記(1714)三「無念なやら憎いやら、五色の涙がこぼるるぞや」
③ 植物「うり(瓜)」の異名。〔明衡往来(11C中か)〕〔唐類函〕

ご‐しょく【五色】

〘名〙 =ごしき(五色)
※書言字考節用集(1717)一〇「五色(ゴショク) 青 黄 赤 白 黒」

いつ‐いろ【五色】

〘名〙
① 赤、青、黄、白、黒の五色。いつつのいろ。ごしき。
② 五種類。

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デジタル大辞泉 「五色」の意味・読み・例文・類語

ご‐しき【五色】

5種の色。特に、青・黄・赤・白・黒をいう。また、種々の色。五彩。ごしょく。
多種多様。いろいろ。
五体には―の汗が流るる」〈浄・日本武尊

ご‐しょく【五色】

ごしき(五色)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五色」の意味・わかりやすい解説

五色
ごしき

兵庫県南部,洲本市北西部の旧町域。淡路島の中西部にあり,播磨灘に臨む。 1956年都志町と鮎原村,広石村鳥飼村,堺村の4村が合体して五色町が成立。 2006年洲本市と合体。色とりどりの小石からなる五色浜で知られ,地名もこれにちなむ。米作や畜産などの農業と,ノリやワカメの生産を含む漁業が主産業。鳥飼川流域の広石ではタマネギ栽培が行なわれる。都志川河口の中心集落である都志は江戸時代後期の択捉航路開拓者,高田屋嘉兵衛の出生地。臨海地域では別荘地開発が進んだ。五色浜は瀬戸内海国立公園に属する。

五色
ごしき
pañca varṇāḥ

仏教用語。青 nīla,黄 pīta,赤 lohita,白 avadāta,黒 kṛṣṇaの基本色をいう。これらは単色で,華美な色とされ,インドの仏教教団では法衣に用いてはならないとされた。

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改訂新版 世界大百科事典 「五色」の意味・わかりやすい解説

五色[温泉] (ごしき)

山形県南東部,米沢市南東部にある温泉。吾妻連峰の北東麓中腹,奥羽本線板谷駅の南西約2.5kmに位置する一軒宿の温泉場である。7世紀後半に役行者(えんのぎようじや)が発見したと伝えられる。泉質は重曹泉で,泉温40~45℃。上杉藩の重臣直江兼続の奇病が治った霊湯といわれ,また子宝の湯として知られている。創傷,やけど,皮膚搔痒(そうよう)症,不妊症などに効用があるという。明治末期にオーストリア人によって開かれた古いスキー場があり,付近には1849年(嘉永2)に発見された新五色温泉がある。
執筆者:

五色(旧町) (ごしき)

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デジタル大辞泉プラス 「五色」の解説

五色

錦鯉の品種のグループ。もとは浅黄と大正三色の交配種。五色とは白、赤、黒、浅黄の青と濃紺を意味するが、近年では、白地に浅黄地をもち、緋盤(赤い模様)のある鯉であればこの五色が揃わなくても「五色」と呼ぶことが多い。さまざまなバリエーションがあり、人気の高い品種。

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普及版 字通 「五色」の読み・字形・画数・意味

【五色】ごしよく

青・黄・赤・白・黒の五色。

字通「五」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の五色の言及

【青】より

…なるほど,繁茂する草木の色から,仰(あお)ぎみる天空の色や,見はるかす大海の色まで,全部いっしょに説明づけるとしたら,これ以外には理屈のつけようもなかったであろう。しかし,社会科学的観点に立つかぎり,〈あお(青)〉の色名によってblueとgreenとの両者を概念させた起源は,7~8世紀に律令国家が成立したとき,中国から制度文物を直輸入し,色彩に関しても五行(ごぎよう)思想に基づいた五色(青,赤,)を基本的な色とみる考え方が採用されたことに求められなければならない。じっさいに,記紀万葉にあらわれた色名を調査した学者(城戸幡太郎,佐竹昭広,伊原昭など)によると,上代日本語のなかで純粋に色の概念として抽象できていたのは,青,赤,黄,白,黒に限定されるという。…

【鳥飼荘】より

…淡路国三原郡(現,兵庫県津名郡五色町)の荘園。石清水八幡宮領で,1185年(文治1)同宮領淡路国鳥養荘として史料にみえる。…

※「五色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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