五重塔(文学)(読み)ごじゅうのとう

百科事典マイペディア 「五重塔(文学)」の意味・わかりやすい解説

五重塔(文学)【ごじゅうのとう】

幸田露伴中編小説で,初期の代表作。1891年―1892年《国会》連載。江戸谷中(やなか)感応寺の五重塔建立をめぐる二人の大工源太,十兵衛)の対立を通じて,義理人情を超越する芸術意欲の激しさを描いた男性的な作品。落成式前夜,嵐が塔を襲うくだりは名文として名高い。この一編が露伴を明治文学界の中心部に定着させた。
→関連項目新聞小説

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android