井上正継(読み)いのうえ・まさつぐ

朝日日本歴史人物事典 「井上正継」の解説

井上正継

没年正保3.9.13(1646.10.21)
生年:生年不詳
江戸前期の砲術家井上流(外記流ともいう)の流祖。九十郎,外記と称した。播磨国英賀(姫路市飾磨区)の出身で,慶長19(1614)年徳川秀忠に仕えて大坂城の砲撃に参加した。銃器の改良工夫を特技とし,16連発,20連発などの機関銃や連城銃と呼ばれる軽便な砲架を考案している。しかし狷介な性格が災いしてか,同輩の稲富直賢との砲術技量をめぐる口論がきっかけとなり正保3(1646)年9月13日,刃傷におよんで落命した。そのため井上家は一時断絶したが,寛文3(1663)年養嗣子左太夫正景のとき再び召し出され,子孫幕末に至るまで江戸幕府鉄砲方を世襲した。

(所荘吉)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「井上正継」の解説

井上正継 いのうえ-まさつぐ

?-1646 江戸時代前期の砲術家。
慶長19年将軍徳川秀忠につかえ,大坂の陣に大筒で戦功をあげた。砲術の井上流(外記(げき)流)を開創,寛永15年幕府の鉄砲方となる。正保(しょうほ)3年9月13日同役稲富直賢と砲術の技量をめぐって口論,直賢を斬り,みずからも落命した。播磨(はりま)(兵庫県)出身。通称は九十郎,外記。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「井上正継」の意味・わかりやすい解説

井上正継
いのうえまさつぐ

井上流

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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