京雀(読み)キョウスズメ

デジタル大辞泉 「京雀」の意味・読み・例文・類語

きょう‐すずめ〔キヤウ‐〕【京×雀】

市中事情に詳しく、事件や人のうわさをよくする京都の人のこと。京烏きょうがらす

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精選版 日本国語大辞典 「京雀」の意味・読み・例文・類語

きょう‐すずめ キャウ‥【京雀】

〘名〙 京都に住みなれて市中の事情にくわしい人。京烏
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)二「名をば下部に引かへて鍬(くは)取の京雀(スズメ)と呼ばれ」

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日本歴史地名大系 「京雀」の解説

京雀
きようすずめ

七巻七冊

異記・別称 京すすめ・京独案内 浅井了意著

成立 寛文五年

分類 地誌

版本 国会図書館・京都府立総合資料館

解説京童」「都物語」の跡を追い、その欠を補う旨が奥書にみえる。前者の趣味的な案内記に比べると実用性に富み、京町鑑としての機能を備えるなど以後類書先駆となった。巻一は皇居周辺、巻二から巻四までは竪町を東の京極通(寺町)から西へ順に西朱雀通まで、巻五・六は横町を北の寺之内通から南の九条通までを、また巻七には「寺町の東、川原町たてよこ」を収める。殊に町々の商工諸職の案内は実用的で、職人尽絵風の挿絵とともに本書特色

活字本 近世文芸叢書一・新修京都叢書第一巻

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改訂新版 世界大百科事典 「京雀」の意味・わかりやすい解説

京雀 (きょうすずめ)

仮名草子,地誌。7巻7冊。浅井了意作。1665年(寛文5)刊。改題増補本に1679年(延宝7)刊《都ひとり案内》がある。《京童(きようわらべ)》《都物語》のあとをうけて刊行された京都の地誌。純粋な地誌として書かれ,《江戸名所記》に見られた文飾もなく,《東海道名所記》のような小説形式もとっていない。巻一に京都の沿革内裏構造等を述べ,巻二以下に洛中縦横の通りごとに町名を記し,その由来現状を略述したものである。
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