人体・仁体(読み)じんたい

精選版 日本国語大辞典 「人体・仁体」の意味・読み・例文・類語

じん‐たい【人体・仁体】

〘名〙
① 人間の身体。からだ。五体。また、単に、人間をいう。じんてい
※名語記(1275)五「人躰の節も草木に准じて、ふしといへる歟」 〔後漢書‐華佗
② 人の様子。人柄。みがら。人品。風采(ふうさい)。身分。じんてい。
明徳記(1392‐93頃か)中「其中に山名小次郎氏義とて生年十七歳に成給けるは〈略〉仁躰心ざま幽玄にましましければ」
③ (形動) 人品のよいさま。また、その人。立派な身分のある人。ごじんたい。じんてい。
謡曲・正尊(1541頃)「あっぱれ器用の人体かな。さて汝は誰そ」
④ 人をていねいにいう語。お人。おかた。
※却来華(1433)「元雅は、こんぱるならでは当道の家名後世にのこすべき人躰あらずとおもひけるやらん」
⑤ (形動) 世間体の悪いこと。体裁が悪いこと。
※歌舞伎・けいせい花絵合(1773)口明「しんたいな事をしおったわいやい。扨々つらのかわの厚いやつ」

じん‐てい【人体・仁体】

〘名〙
※義血侠血(1894)〈泉鏡花一一「お見受け申した所が、馬丁なんぞを為さるやうな御人躰(ジンテイ)ぢゃ無いね」
③ (形動) =じんたい(人体)
浮世草子傾城歌三味線(1732)一「跡から麻上下いためつけて、人体(ジンテイ)なる男が、新しき三方三味線の撥を積上げ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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