20世紀日本人名事典 「今井 俊満」の解説
今井 俊満
イマイ トシミツ
昭和・平成期の画家
- 生年
- 昭和3(1928)年5月6日
- 没年
- 平成14(2002)年3月3日
- 出生地
- 京都府京都市
- 学歴〔年〕
- 武蔵高文科〔昭和22年〕卒,ソルボンヌ大学文学部〔昭和29年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- エックスアンプロバンス国際バレー祭大賞(舞台美術)〔昭和32年〕,現代日本美術展優秀賞〔昭和37年〕,アンクラジュマン・オ・プログレ一等勲章(フランス)〔昭和50年〕,紺綬褒章〔昭和54年〕,フランス芸術文化勲章オフィシエ章〔昭和59年〕,レジオン・ド・ヌール勲章シュバリエ章〔平成7年〕,フランス芸術文化勲章コマンドール章〔平成9年〕,文部大臣表彰〔平成10年〕
- 経歴
- 武蔵高時代に油絵を始め、昭和27年渡仏。評論家のミシェル・タピエが主導したアンフォルメル(不定形抽象)運動の主要メンバーとなり、分厚い塗りと、身ぶりそのままの激しいタッチによる躍動感あふれる前衛的なスタイルを確立。日本でもアンフォルメル旋風を巻き起こした。32年パリのスタドラー画廊で個展を開き成功を収める。その後も欧米で多くの個展を開催、また、ベネチアビエンナーレ、サンパウロビエンナーレ、パリ青年ビエンナーレなどの国際ビエンナーレに出品。43年帰国。60年東京・草月美術館で発表した「花鳥風月」「飛花落葉」を機に王林派風の壮麗な作風に転じる。平成に入ってからはアンフォルメルの手法と日本の伝統的様式を融合した「波涛図」シリーズ、「ヒロシマ・シリーズ」「コギャル・シリーズ」などを手がけた。平成10年画集「IMAI」を刊行。また、文筆でも才能を示した。12年医師から末期がんで余命数ケ月と宣告され、同年12月“サヨナラ展”を開催した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報