今参(読み)イママイリ

デジタル大辞泉 「今参」の意味・読み・例文・類語

いままいり【今参】[狂言]

狂言。秀句好きの大名に召し抱えられた新参者が、大名の問いにすべて秀句で答える。

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精選版 日本国語大辞典 「今参」の意味・読み・例文・類語

いま‐まいり ‥まゐり【今参】

[1] 〘名〙
① 新しく出仕した者。新参者。今来(いまき)
落窪(10C後)二「今参り共十余人ばかり参りて、いと今めかしうをかし」
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)道行「今参りの山路と云草かりはいづくに有」
② (━する) 新しく出仕すること。
平家(13C前)九「いままいりしたりける越後中太家光といふものあり」
[2] 狂言。各流。新しく大名にかかえられる者が、大名はしゃれが好きだというので、その気に入るように言おうとするが、失敗を重ねるという筋。

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改訂新版 世界大百科事典 「今参」の意味・わかりやすい解説

今参 (いままいり)
生没年:?-1459(長禄3)

室町中期の女性。大館満冬の娘。足利義政の愛妾説と乳母説があり,後者が有力。上﨟局,御今。名前にマの音を含むため,有馬持家烏丸(からすま)資任とともに〈三魔〉と呼ばれ,初期の義政の執政に介入した。1451年(宝徳3)尾張国守護代を更迭せんとし,義政の生母裏松重子と対立する。59年義政夫人日野富子が男子を死産するが,今参の富子呪詛の事実が露顕,近江国沖ノ島配流の途中自殺した。
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世界大百科事典(旧版)内の今参の言及

【三魔】より

…将軍足利義政の治政初期は,義政がなお幼年でもあり,従来幕政を運営していた有力守護家による重臣会議が,斯波氏や畠山氏の家督紛争の影響で正常に機能しなくなり,細川家の当主勝元もまだ幼少で後年の政治力はなかった。そこで将軍の乳人今参(いままいり)の局(俗にお今),奉公衆有馬某,廷臣烏丸氏ら非制度的な義政の側近勢力が陰に陽に幕政に介入したので,世人はこれを三魔と称した。しかし今参が近江で刑死してからは三魔の勢力が衰えたものの,義政の実母日野重子,相国寺塔頭蔭涼軒主季瓊真蘂(きけいしんずい),政所執事伊勢貞親らが代わって台頭し,有力守護家の継嗣争いや将軍家の跡目(義視と義尚)争い等に介入したので,幕政はいよいよ混乱し,やがて応仁の乱が勃発した。…

※「今参」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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