仕入(読み)しいれる

精選版 日本国語大辞典 「仕入」の意味・読み・例文・類語

し‐い・れる【仕入】

〘他ラ下一〙 しい・る 〘他ラ下二〙 (「し」はサ変動詞「する」の連用形。「仕」は当て字)
① 作って入れる。入れてととのえる。仕立てる。
※栄花(1028‐92頃)衣の珠「御経仏などにも、ただ御物々具どもしいれさせ給」
② しつける。教えこむ。仕込む。
※古文真宝彦龍抄(1490頃)「刮は、此人はまちっと能し入たらば好らんと云人をば、とぎ入て用らるるよ」
商人または製造業者が商品や原料を買い入れる。仕込む。
浮世草子日本永代蔵(1688)四「其時を見合せ、少しの荷物仕入(シイレ)、むかしにかはりて手代(てだい)もなく」
④ 他からもってきて置いておく。買いこむ。また、他から知識、技術などを得る。
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一「寒い夜などはひそかに蕎麦粉(そばこ)を仕入れて置いて、いつの間にか寝て居る枕元蕎麦湯を持って来てくれる」
※海と毒薬(1957)〈遠藤周作〉一「私は彼について一寸した知識を仕入れることができた」

し‐いれ【仕入】

〘名〙 (動詞「しいれる(仕入)」の連用形の名詞化)
① 販売するための商品、または、製造に要する原材料、貯蔵品などを買い入れること。仕込み。
※雑俳・勝句寄(1730)「愛相は仕入の外の一元手」
② 教え込むこと。訓練
仮名草子・悔草(1647)上「誠や犬猿もし入にしたがふ」
③ あらかじめととのえること。したく。
※浮世草子・世間胸算用(1692)二「むかしは四十貫目が仕入して拾貫目の敷銀せしが」
④ 出来合いの品。既製品
談義本・つれづれ睟か川(1783)四「はやり歌のなまおぼえ、古いはなしか、仕入(シいれ)のわるくち、あるいは口合の受うり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android