付子・附子(読み)ぶす

精選版 日本国語大辞典 「付子・附子」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐す【付子・附子】

[1] 〘名〙
袖中抄(1185‐87頃)二〇「どくきのやとは、おくのえびすは鳥の羽の茎に附子(ブス)と云毒をぬりてよろづのあきまをはかりていると云り」
② (①が人から恐れられるところから) 憎みきらうべきもの。
浮世草子・好色訓蒙図彙(1686)中「水尅火と丙午と、(のどぶへ)真中に痣(ほくろ)の有と、歯の三十八枚ある女は、いづれも夫の敵(ブス)にて」
[2] (附子) 狂言。各流。太郎冠者、次郎冠者は、主人から毒物だといって預けられた附子を砂糖と知り全部食べてしまう。そして、わざと主人秘蔵の掛物茶碗をこわし、戻った主人に、大事な物をこわした償いに死のうとして附子を食べたが死ねなかったという。

ぶ‐し【付子・附子】

〘名〙 トリカブトの根を乾燥させたもの。アコニチン、アコニンなどを含み、強心、利尿鎮痛などの目的で使われる。毒性が強い。烏頭(うず)。ぶす。
延喜式(927)三七元日御薬〈中宮准此〉〈略〉附子三両二分」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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