付目(読み)つけめ

精選版 日本国語大辞典 「付目」の意味・読み・例文・類語

つけ‐め【付目】

〘名〙
江戸時代に、カルタ・さいころ賭博(とばく)で、ねらいを付けた札や采の目。自分に都合のよい札や采の目。
咄本当世軽口咄揃(1679)五「我かるたをひねりて見るに、つけめをしたり」
② 目あてにしていること。ねらいどころ。
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)三「其足よは連たが。盗する付目(つケめ)じゃ。よもやと思はせしてやるが当世のはやり物」
③ 自分の有利になるように利用できる相手の欠点や隙。つけこみどころ。
桐一葉(1894‐95)〈坪内逍遙〉四「女もどうやらまんざらで、ない心なまごころ此方奇貨(ツケメ)

つく‐め【付目】

〘名〙 語義未詳。梶を舷に結びつける突起した部分の名か。→かじつくめ
万葉(8C後)八・一五四六「妹許(いもがり)と吾が行く道の川しあれば付目(つくめ)(むす)ぶと夜そふけにける」

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デジタル大辞泉 「付目」の意味・読み・例文・類語

つけ‐め【付(け)目】

つけこめるすきや、利用できるような弱点。「捕手弱肩付け目だ」
めざすところ。ねらいどころ。めあて。「財産付け目結婚
カルタやさいころ賭博とばくで、ねらいをつけた札やさいの目。
「四五人寄り合ひ、―の跡で置かぬかと、貫き銭の音は小勝負なり」〈浮・諸艶大鑑・五〉
[類語](1短所難点欠陥くせ遜色弱点欠点盲点瑕疵かし瑕瑾かきんあら弱み泣き所負い目引け目デメリットウイークポイントハンディキャップ/(2目的目当て狙い狙い所あてど

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