仙人掌(読み)サボテン

デジタル大辞泉 「仙人掌」の意味・読み・例文・類語

サボテン

語源は、〈ポルトガルsabão石鹸)と「手」を合成した語の転など諸説ある》
サボテン科植物総称。茎は多肉質で、葉はとげ状。花は花びらがくの別がない。南北アメリカの乾燥地によく生え、約2000種が知られ、ウチワサボテンハシラサボテンコノハサボテンに分けられる。園芸植物として栽培もされる。カクタスシャボテン 夏》「―の奇峰を愛す座右哉/鬼城
葉や茎が著しく多肉化した植物の総称。乾燥地にみられる。→多肉植物
[補説]「仙人掌」「覇王樹」とも書く。

せんにん‐しょう〔‐シヤウ〕【仙人掌】

サボテン別名

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精選版 日本国語大辞典 「仙人掌」の意味・読み・例文・類語

シャボテン【仙人掌】

〘名〙
※東京新繁昌記後編(1881)〈服部誠一〉一「覇王樹(〈注〉シャボテン)は秀でて爵位を競はんと欲す」
咄本・新板一口ばなし(1839)一五「吹玉の入った茶碗わりくさった。しゃぼてんめ」

せんにん‐しょう ‥シャウ【仙人掌】

[1] 〘名〙 植物「サボテン(仙人掌)」の漢名
俳諧・聞書七日草(1716‐36頃)「句ざり・折の物・見わたしなどと掟しめ、ものの数をさだむること、仙人掌上の玉芙蓉ならずや」
[2] 華山中腹にある崖の名称仙掌。〔崔顥‐五・行経華陰(唐詩選)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「仙人掌」の意味・わかりやすい解説

仙人掌 (せんにんしょう)
xiān rén zhǎng

中国で,天下太平のしるしとして天から降るとされる甘露を受けるための器物で,仙人が手のひらで盤をささげ持つ形をかたどっている。仙掌ともいう。漢の武帝のとき,建章宮に高い銅柱の承露盤を作り,その上にこれを置いて甘露を受けたと伝えられる。また,この甘露は,玉屑と混ぜて飲むと,長生不死ができると信じられた(《漢書》郊祀志)。なお,サボテンの漢名も仙人掌と書く。
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動植物名よみかた辞典 普及版 「仙人掌」の解説

仙人掌 (サボテン・シャボテン)

学名:Opuntia ficus‐indica
植物。サボテン科の多年草

仙人掌 (ワタカズラ)

植物。マツブサ科の落葉つる性植物,薬用植物。マツブサの別称

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世界大百科事典(旧版)内の仙人掌の言及

【サボテン】より

…ごく少数種をのぞき,新大陸原産の多様なとげをもつ多肉植物で,美花を咲かせるサボテン科植物の総称(イラスト)。漢名は仙人掌,覇王樹。サボテン科は約110属2000種からなる大群で,3亜科に大別される。…

※「仙人掌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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