代替天然ガス(読み)だいたいてんねんガス(英語表記)substitute natural gas; SNG

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「代替天然ガス」の意味・わかりやすい解説

代替天然ガス
だいたいてんねんガス
substitute natural gas; SNG

合成天然ガスともいう。ナフサなどの炭化水素原料とする製造ガスで,組成,発熱量,燃焼性などの諸性状が天然ガスとほぼ同一のもの。都市ガスは液化天然ガス (LNG) を原料とする天然ガス化が進められているが,年間を通じて平均して輸入される LNGと季節変動の大きな都市ガス需要とのギャップを埋めることを目的として開発された。反応温度 450~500℃,高圧下,高活性ニッケル触媒を用いてナフサと水蒸気を反応させると,メタンを主成分とする水素,一酸化炭素および二酸化炭素を含むガスが生成する。さらにニッケル触媒によりメタン化を進め,最後に二酸化炭素を除去することにより,発熱量が 1m3あたり約 9200kcalと高熱量で天然ガスと同一性状のガスが得られる。原料の選択性の拡大を目的として重油,重質残渣油を原料とするプロセスの開発,さらに石油資源枯渇に対処するため石炭を原料とするプロセスの研究開発も行われている。

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世界大百科事典(旧版)内の代替天然ガスの言及

【合成天然ガス】より

…略称SNG。代替天然ガスsubstitute natural gasともいわれる。天然ガスはメタンを主成分とするが,この天然ガスを代替するために合成された高カロリーの燃料用ガスをいう。…

※「代替天然ガス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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