精選版 日本国語大辞典 「代物」の意味・読み・例文・類語
しろ‐もの【代物】
〘名〙
② (①から転じて、金銭で売買されるもの、また売りものになるものという意から) 遊女。また、年ごろの美しい女。
※浮世草子・世間妾形気(1767)四「祇園か島原へやらば、黄な物たんとに成る代物(シロもの)と」
③ 話や遊びなどのための材料。たね。
※談義本・つれづれ睟か川(1783)五「三絃(さみせん)をかぢる客は人さし指の爪のかけたまで見てくれのしろものにし」
④ 人をばかにしたり、卑しめたりしていう語。あほう。ばかもの。やつ。
※大観本謡曲・桜川(1430頃)「この代物を確かに届け申せと仰せ候程に、これまで持ちて参りて候」
※滑稽本・楽屋方言(1804)四「ハテあいつがしろものがてうど馬の」
だい‐もつ【代物】
〘名〙
① かわりのもの。代理の品。
※三代格‐一四・大同四年(809)四月三〇日「五位已上進二義倉一輩、或狎レ法不レ進、或僅進二代物一」 〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 代金。代価。しろもの。だいぶつ。
※言継卿記‐大永七年(1527)八月二四日「土佐所へ下絵代物遣候了」
③ 銭(ぜに)。
かわり‐もの かはり‥【代物】
〘名〙 代わりとなる品物。代用品。
※怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一二「代り物がなければいかぬと思ひ、〈略〉瓦の不動様を中へ押込み」
だい‐ぶつ【代物】
〘名〙 その品物のかわりの物。代品。代価。しろもの。だいもつ。
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