精選版 日本国語大辞典 「仮痘」の意味・読み・例文・類語
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翻訳|varioloid
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痘瘡(とうそう)ワクチンの接種(種痘)により十分な免疫をもつ人は痘瘡(天然痘)にかからないが,過去に種痘をうけて年月がたち,痘瘡に対する免疫が低下している人が痘瘡に感染した場合は,発病しても通常,症状が軽く,経過も短く,予後もよい。
このような痘瘡を仮痘あるいは軽痘という。豊田太郎は痘瘡の重症度から臨床病型を分類(《東京医事新誌》No.2333,1923)して,仮痘(広義),真痘,出血痘とし,さらに仮痘を無疹痘,仮痘(狭義)に二分した。仮痘では,病初期の発熱も短期間で,発疹期の発熱はないことが多く,全身症状も軽い。発疹の数も少なく(数個~数十個),大きさも大小不同で,発疹の発育も不ぞろいである。水疱から膿疱に進むものがみられる一方,水疱のまま吸収されたり,丘疹から吸収されてしまうものがある。また膿疱から痂皮(かさぶた)になるのも速く,瘢痕(はんこん)を残さないで治ることが多い。発熱しても発疹が出ない場合が無疹痘で,確診はウイルス検査で診断する。
執筆者:南谷 幹夫
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