伊庭可笑(読み)いば・かしょう

朝日日本歴史人物事典 「伊庭可笑」の解説

伊庭可笑

没年天明3.6.3(1783.7.2)
生年:生年不詳
江戸中期の戯作者。『戯作者考補遺』によると享年は37歳。安永8(1779)年以降,黄表紙に34部の作品があるが,特に天明1,2(1781,82)年はいずれも10部以上を刊行し,3年に没していなければ,黄表紙の全盛期を迎えて,その重要作者のひとりになるのは確実だったろう。流行風俗の描写にすぐれ,しかも教訓の意を失わぬ作風はいかにも黄表紙らしく,大田南畝の黄表紙評判記『菊寿草』や『岡目八目』でも,おおむね好評を得ている。安永8年以前にも無署名刊行作があるであろうことは棚橋正博『黄表紙総覧』にも指摘される。

(中野三敏)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊庭可笑」の解説

伊庭可笑 いば-かしょう

1747-1783 江戸時代中期の戯作(げさく)者。
延享4年生まれ。江戸の人。天明の初めごろを頂点に34部の黄表紙をかいた。天明3年6月3日死去。37歳。通称は猪与八。別号に堪亭。著作に「扨化狐通人(さてもばけたりきつねつうじん)」「化物世櫃鉢木(ばけものよつぎのはちのき)」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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