伊藤坦庵(読み)いとうたんあん

精選版 日本国語大辞典 「伊藤坦庵」の意味・読み・例文・類語

いとう‐たんあん【伊藤坦庵】

江戸初期の儒学者。京都の人。名は宗恕。字は元務。医学を修めていたが、のち、藤原惺窩(ふじわらせいか)門人那波活所に学び、特に朱子学研究に努めた。著「坦庵文集」「老人雑話」など。元和九~宝永五年(一六二三‐一七〇八

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デジタル大辞泉 「伊藤坦庵」の意味・読み・例文・類語

いとう‐たんあん【伊藤坦庵】

[1623~1708]江戸前期の儒学者。京都の人。名は宗恕。初め医師となったが、のち、福井藩儒官として仕えた。師の江村専斎談話を集めた「老人雑話」の編者。著「坦庵遺稿」。

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朝日日本歴史人物事典 「伊藤坦庵」の解説

伊藤坦庵

没年:宝永5.8.24(1708.10.7)
生年:元和9.9.29(1623.11.21)
江戸時代前期の漢学者。京都の人。一説に没日を2月22日とする。姓は藤原氏,名は宗恕,字は元務。坦庵,自怡堂などと号す。江村専斎,那波活所に学ぶ。越前福井藩の藩儒となり,晩年は京都に退隠。当時,詩文における名声が高く,その名は,友人北山友仙と共に浮世草子『元禄大平記』に登場するほどであった。儒者としての評価も高く,特に訓点に心を用いた堅実な態度が窺える。また師の江村専斎の口述を筆記した『老人雑話』は,安土桃山から江戸初期の人物を知るうえで重要な書物として,写本ながら数多く流布した。<著作>『坦庵詩文集』

(高橋昌彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊藤坦庵」の解説

伊藤坦庵 いとう-たんあん

1623-1708 江戸時代前期の儒者。
元和(げんな)9年9月29日生まれ。江村専斎,曲直瀬玄理(まなせ-げんり)に医術を,那波活所に儒学をまなぶ。越前(えちぜん)福井藩につかえ,詩文で知られた。編著に専斎の口述をまとめた「老人雑話」がある。妻は玄理の娘。宝永5年8月24日死去。86歳。京都出身。名は宗恕。字(あざな)は元務。別号に白雲散人。著作に「坦庵文集」など。

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367日誕生日大事典 「伊藤坦庵」の解説

伊藤坦庵 (いとうたんあん)

生年月日:1623年9月29日
江戸時代前期;中期の漢学者;越前福井藩儒
1708年没

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世界大百科事典(旧版)内の伊藤坦庵の言及

【漢詩文】より

…漢籍の日本への伝来は,記紀によれば応神朝とされ,ほぼ4,5世紀ごろアジア大陸の文物や中国の古典や小学書が将来された。ただし漢字などはそれ以前にある程度伝えられていたかと思われる。以後帰化人の知識層に導かれて日本人の漢文学習が開始されたが,漢文は本来は日本語とはまったく構造の異なった言語であり,それを読み書きし,自由に駆使するには大きな困難と多くの年月を要した。
【古代】
 6世紀の仏教経典の渡来は,漢字漢文の習熟の必要をいっそう高めるものであった。…

【老人雑話】より

…近世初期に成立した随筆。儒医江村専斎(1565‐1664)の談話を門人伊藤坦庵(宗恕)が筆録編集した書。2巻。…

※「伊藤坦庵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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