日本大百科全書(ニッポニカ) 「伍堂卓雄」の意味・わかりやすい解説
伍堂卓雄
ごどうたくお
(1877―1956)
海軍出身の政財界人。東京生まれ。1901年(明治34)東京帝国大学造兵学科卒業。海軍の造兵技術者としての道を歩み、1924年(大正13)呉工廠(くれこうしょう)長、1926年造兵中将となる。その後、予備役となり、1929年(昭和4)昭和製鋼所社長に就任。1937年林銑十郎(せんじゅうろう)内閣の商工相兼鉄相、貴族院議員、1939年阿部信行(あべのぶゆき)内閣の商工相兼農相として政界に進出。また1942年日本能率協会会長、1943年商工組合中央会会長などを歴任、財界でも重きをなす。工業規格統一を提唱するなど、戦時下の生産効率向上に努めた。終戦後、戦犯に指名されたが1947年(昭和22)釈放された。1952年追放解除後、日本能率協会会長に復帰。
[小田部雄次]
『裴富吉著『伍堂卓雄海軍造兵中将――日本産業能率史における軍人能率指導者の経営思想』(2007・三恵社)』