位置情報(読み)イチジョウホウ

デジタル大辞泉 「位置情報」の意味・読み・例文・類語

いち‐じょうほう〔ヰチジヤウホウ〕【位置情報】

人や物などの位置に関する情報位置情報サービスでは、GPS携帯電話基地局などを利用して対象の位置情報を取得し、緯度経度座標で表す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「位置情報」の意味・わかりやすい解説

位置情報
いちじょうほう

人や物などの位置に関する情報。一般に緯度と経度の座標で示される。郵便番号や住所、施設名などの情報からも、座標としての位置情報が得られる。

 今日では測位衛星システムGlobal Navigation Satellite System(GNSS)によって正確な位置情報が得られ、航空機・船舶・自動車のナビゲーションシステムに応用されてきた。さらにGNSSの代表格である全地球測位システム(GPS)関連機器の小型化が進み、ハンドヘルドGPS(携行型GPS)やGPS搭載の携帯端末(スマートフォン、タブレット型端末など)が登場し、常時、位置情報が得られるようになった。携帯電話やスマートフォンなどの場合は、通信サービスの基地局や無線LANのアクセス情報を補助情報として活用し、GNSSが使えない屋内でも現在地の情報を取得する。

 個人が携帯している情報端末によって常時位置情報が得られ、その情報を送信可能になったことで、位置情報サービスが拡大している。しかし、個人の位置情報はプライバシーにかかわるにもかかわらず、急速に拡大するサービスに利用者の意識や行政施策は追いついていない。2012年(平成24)11月に総務省は位置情報を含む個人情報のプライバシー保護データの活用促進に向けた研究会(「パーソナルデータの利用・流通に関する研究会」)を設けて具体的な検討実施。2013年6月にまとめられた報告書では、位置情報は3種に分類されたパーソナルデータのうち中程度の慎重な取扱いが求められるものとされた。国際的な動きでは、経済協力開発機構OECD)において、2013年から位置情報活用の国際的な制度づくりが進められ、同年7月にプライバシーガイドラインを策定した。

[編集部]

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世界大百科事典(旧版)内の位置情報の言及

【胚】より

…このような細胞塊はその後いくつかの特徴ある段階をへて,やがてそれぞれの種に特有な幼生へと発生する。このことは,遊泳期の胚を構成する細胞が,すべての位置情報を奪われてもなお,協同して本来の形をつくり上げる能力を維持していることを示している。しかしこの能力も,消化管や筋肉,繊毛環など,さまざまな機能に分化した幼生の構成細胞には,もはや見られなくなる。…

【発生学】より

… このような発生の後成的側面の説明は,多細胞生物においては,個々の細胞は自律的でなく,細胞間の相互作用が必然的に存在する,という点に求められるのである。古典的な後成論の全盛時代である20世紀の前半において,発生の説明のための基本的概念とされてきた誘導inductionも,発生における細胞間の相互作用をいうものであり,1970年代になって提唱された発生における位置情報positional informationの概念も,同じカテゴリーのものである。 現在において,これら二つの異なった立場は対立する二つの考え方による違いではなく,学説として対比されるべきものでもない。…

※「位置情報」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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