佐敷(読み)さしき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「佐敷」の意味・わかりやすい解説

佐敷
さしき

沖縄県沖縄島南部,南城市北部の旧町域。中城湾南岸に位置する。1980年町制。2006年玉城村,知念村,大里村と合体して南城市となる。旧町名は近世以来の間切(まぎり。行政区画)名による。サトウキビ栽培が中心。ヤシガジュマルなどの熱帯植物が多く見られる。北に開ける小湾にある馬天漁船出入りが多い。15世紀初頭,三山(さんざん。14~15世紀,沖縄島に分立した三つの小国家)を次々に滅ぼし,沖縄に初めての統一政権を立てた尚巴志(→尚氏)はこの地の生まれで,のちに佐敷の按司となった(→琉球)。

佐敷
さしき

熊本県南西部,八代海に臨む芦北町の中心地区。鹿児島街道の旧宿場町で,天草からの上陸地にもあたる要地。江戸時代島津 (薩摩) に対する肥後防衛の衛士が置かれた。沿岸部は屈曲の多いリアス海岸をなし,付近に『万葉集』で詠まれた「野坂の浦」の歌碑がある。アマナツミカン,木材石灰石集散地

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改訂新版 世界大百科事典 「佐敷」の意味・わかりやすい解説

佐敷 (さしき)

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世界大百科事典(旧版)内の佐敷の言及

【芦北[町]】より

…北部は九州山地に属する山々が,南部は国見山に連なる山々が広く占める。東境沿いに球磨川が北流し,また佐敷・湯浦両川が北西流して八代海に注ぐ。中心集落の佐敷は古代に西海道の駅家が置かれた水陸交通の要地で,中世には佐敷城(花岡城)が築かれ,村上,田浦,佐敷,相良,島津,加藤各氏が城主となっている。…

※「佐敷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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