朝日日本歴史人物事典 「佐竹音次郎」の解説
佐竹音次郎
生年:元治1.5.10(1864.6.13)
明治期の教育者で,鎌倉小児保育園創設者。土佐国(高知県)幡多郡下田村に農民の子として生まれ,間引きされるところだったが助かる。明治19(1886)年軍人になろうと上京するが果たせず,小学校校長などをしたのち,同26年医学専門学校済生学舎を卒業。翌年鎌倉腰越に医院開業,同29年医院内に孤児保育園を開設する。同39年鎌倉小児保育園と改称,この間,同35年に鎌倉メソジスト教会で山鹿旗之進から受洗。同38年には医業を廃して保育事業に専念。旅順,ソウル,台北などに支部を設けた。未婚の母なども引き取り,母子一体の保護を行ったことで知られる。『日誌佐竹音次郎』がある。
(篠崎恭久)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報