佐那河内村(読み)さなごうちそん

日本歴史地名大系 「佐那河内村」の解説

佐那河内村
さなごうちそん

面積:四二・三〇平方キロ

徳島県唯一の一郡一村の村で、県東部ほぼ中央に位置する。村内を南西から北東へ流れる園瀬そのせ川とその支流嵯峨さが川沿いの河岸段丘面や谷底平野に開けた、東西に細長い山間盆地にある。東は徳島市、西・北は名西みようざい神山かみやま町、南はあさひまる(一〇一九・五メートル)轆轤ろくろ(九七二・一メートル)分水嶺として勝浦かつうら上勝かみかつ町・勝浦町と接する。園瀬川に沿って国道四三八号が北東から西へ通る。村名は佐那河内守がいたことにちなむとされ(阿波志)、古くは佐野河内とも記される。

村域は中世から近世前期には以西いさい郡に属し、寛文四年(一六六四)以降は名東郡に属した。正保国絵図、寛文四年の郷村高辻帳では佐那河内村・中辺なかへん村・佐我さが(嵯峨)村の三ヵ村からなるが、その後佐那河内村・佐我村の二村を合せて下佐那河内村、中辺村は上佐那河内村とよばれるようになったとみられる(文化一〇年高都帳など)。だが上・下の両村を合せて佐那河内村と称する場合もあったようである。元禄七年(一六九四)には佐那河内村と八多はた(現徳島市)の入草刈取人夫役が、板野いたの奥野おくの(現藍住町)など四ヵ村に割付けられた(阿淡御条目)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「佐那河内村」の意味・わかりやすい解説

佐那河内〔村〕
さなごうち

徳島県東部,徳島市の南西に接する村。園瀬川流域の緩斜面を利用してミカンスダチ栽培が行われる。南部標高 600mの山中徳円寺があり,シャクナゲ名所として行楽客が多い。ほかに大川原高原,嵯峨峡などがあり,村域の一部は東山渓県立自然公園に属する。国道 439号線が通る。面積 42.28km2人口 2058(2020)。

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