何事(読み)なにごと

精選版 日本国語大辞典 「何事」の意味・読み・例文・類語

なに‐ごと【何事】

〘名〙
① どのような事柄。どんなこと。
万葉(8C後)一〇・二〇三六「吾が待ちし秋は来たりぬ妹と吾れと何事(なにごと)あれそ紐解かざらむ」
② (「も」を伴って) あらゆる事柄。万事。すべてのこと。
伊勢物語(10C前)一一六「なにごともみなよくなりにけり」
③ 何としたことかと、とがめる意で用いる語。どうしたこと。いかなること。
落窪(10C後)一「こはなに事ぞ」
④ 不定の事柄をさしていう語。何々。
徒然草(1331頃)一六九「何事の式といふ事は、後嵯峨の御代までは言はざりけるを」

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デジタル大辞泉 「何事」の意味・読み・例文・類語

なに‐ごと【何事】

どのような事柄。どんなこと。「何事によらず命令に従う」「突然の銃声何事か」
多く「も」を伴って)あらゆること。万事。「何事も辞さない」「何事も運を天にまかせる」
相手をとがめる気持ちで)どうしたこと。なんということ。「こんなことで弱音を吐くとは何事だ」
不定の事柄をさしていう語。なになに。
「―の式といふ事は、後嵯峨の御代までは言はざりけるを」〈徒然・一六九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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