余裕派(読み)よゆうは

精選版 日本国語大辞典 「余裕派」の意味・読み・例文・類語

よゆう‐は【余裕派】

〘名〙 (夏目漱石高浜虚子の「鶏頭」に寄せた序文で「余裕のある小説」について説き、この語を用いたところからいう) 正岡子規写生文を受けついだ夏目漱石・高浜虚子を中心とする写生文系統の一派現実に対するのに余裕をもってあたろうとする傾向を持つ。主として自然主義を中心とする文壇からやや嘲弄的に使用された。寺田寅彦・鈴木三重吉などが含まれる。彽徊派・俳諧派・写生文派などとも。

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デジタル大辞泉 「余裕派」の意味・読み・例文・類語

よゆう‐は【余裕派】

初期夏目漱石を中心とする写生文系統の作家高浜虚子たかはまきょし鈴木三重吉らの一派。現実に対して一定距離を置く心の余裕を唱えた。写生派。→彽徊ていかい趣味

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旺文社日本史事典 三訂版 「余裕派」の解説

余裕派
よゆうは

明治末期の文学流派の一つ
高踏派とも呼ばれる。正岡子規の写生文に始まり,高浜虚子や夏目漱石によって確立人生に余裕ある態度で臨み,高踏的に人生を観察する低徊 (ていかい) 趣味(漱石の造語)の文学。

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