例幣(読み)れいへい

精選版 日本国語大辞典 「例幣」の意味・読み・例文・類語

れい‐へい【例幣】

〘名〙 古代中世律令国家から毎年の例として神にささげる幣帛。特に、神嘗祭(かんなめさい)に際して、毎年九月一一日に律令国家から伊勢神宮勅使を派遣して幣(ぬさ)を奉らせたこと。江戸時代には、日光東照宮へも四月例大祭に際して奉幣が行なわれた。《季・秋》
三代実録‐貞観一三年(871)九月一一日「遣下二使者於伊勢大神宮例幣兼賽宿祷

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「例幣」の意味・読み・例文・類語

れい‐へい【例幣】

奈良平安時代朝廷から毎年の例として神にささげる幣帛へいはく。特に伊勢神宮神嘗祭かんなめさいに際して、毎年9月11日に祭使を派遣して幣帛を奉納したこと。江戸時代には日光東照宮へも行われた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の例幣の言及

【三時祭】より

…また,朝廷からは奉幣があった。神嘗祭における勅使の奉幣は,古くから例幣といい,宮中の重要な年中行事とされた。ただし,奉幣の儀は中世以来久しく廃絶したが,1872年(明治5)に再興された。…

【例幣使】より

…朝廷より毎年,神社に幣帛を奉るため遣わされる祭使のこと。とくに,伊勢神宮神嘗祭の奉幣を例幣といい,毎年9月11日をもって発遣される奉幣使をさして,伊勢例幣使と称した。例幣使は五位以上の諸王のなかから占いをもって定め,これに神祇官の中臣,忌部,卜部が従い,これを四姓幣使とも称した。…

※「例幣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android