便便(読み)べんべん

精選版 日本国語大辞典 「便便」の意味・読み・例文・類語

べん‐べん【便便】

〘形動タリ〙
腹部の肥満したさま。太って腹の出ているさま。太鼓腹をしているさま。
※蒙求和歌(1204)一四「辺孝先腹は便々として書をよむにものうし」 〔後漢書‐文苑伝・辺韶〕
弁舌のすぐれているさま。弁舌のはっきりしたさま。
※文明本節用集(室町中)「其在宗廟朝廷便便(ベンベントシテ)言唯謹爾」 〔論語‐郷党
物事がむやみに長びくさま。
(イ) いたずらに時間の経過するさま。むなしい行為、無用の事柄などで時間を費やすさま。また、のんびりとくつろぐさま。
日葡辞書(1603‐04)「Benbento(ベンベント) シテ イル」
浮世草子・好色一代女(1686)四「難面(つれなや)人にべんべんと詢(くどか)せられしは聞こえませぬと」
(ロ) だらだらと長たらしいさま。
※浮世草子・好色染下地(1691)二「べんべんとぬれまじりのはなしに、ほどなく日くれぬ」

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デジタル大辞泉 「便便」の意味・読み・例文・類語

べん‐べん【便便】

[ト・タル][文][形動タリ]
何もせずにいたずらに時を過ごすさま。「便便と日を送る」
だらだらとやたらに長いさま。
「何時迄も、―と喋舌しゃべっているのは」〈漱石道草
太って腹が出ているさま。太鼓腹であるさま。
「安禄山風の腹―として」〈蘆花不如帰
弁舌のすぐれているさま。〈文明本節用集〉
[類語](1便便だらりのんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらのらくらだらだらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろちんたら無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみのろのろもたもたぐずぐず投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかるもさくさもさっともさもさのそりのさのさのそのそとぼとぼのこのこのっそりそろそろゆっくりのろまのっしのっしのしのし遅いのろいのろくさいまぬるいまのろいスロー緩慢とろいまだるいまだるっこいにぶ緩徐遅緩スローモー遅遅ぼやぼや鈍重どんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりゆったり悠然悠悠/(2長たらしい冗漫長長しい冗長長長蜿蜒えんえん長蛇の列

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普及版 字通 「便便」の読み・字形・画数・意味

【便便】べんべん

太鼓腹。

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