デジタル大辞泉
「便」の意味・読み・例文・類語
びん【便】
1 人や荷物・手紙などをある場所まで運ぶこと。また、その手段。「飛行機の便がある」「午後の便で届く」「宅配便」「速達便」
2 都合のよい機会。よい方法。ついで。
「侍のをのこども仕まつるもののうちに、―ある所をなむ僧坊にしける」〈宇津保・嵯峨院〉
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びん【便】
〘名〙
[1]
① 都合のよい機会やつて。てづる。ついで。便宜。「びんなし」「びんよし」「びんあし」などと熟して用いられる。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「侍のをのこども仕まつるもののうちに、びんある所をなんそらはらにしける」
※
日葡辞書(1603‐04)「Binuo
(ビンヲ) ウカガウ。または、ビン、ヒマヲ ウカガウ」
②
※
捷解新語(1676)一「せんとのなかもとりふねの
ひんに、にはんつくそ
きか、といさきにひよりおまつと申きたほとに」
(ロ) ある地からある地への交通、運輸の手段。
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋「電車の便が有るから其れには及ばぬと言って」
[2] 〘接尾〙 ((一)②が接尾語化したもの)
名詞に付いて、郵便、運輸についての
様態や数、特定の便の名に用いる。「
船便」「速達便」「
宅配便」「定期便」「羽田発六二五便」
べん【便】
〘名〙
① (形動) つごうがよいこと。便利であること。また、そのさま。
※
史記抄(1477)一〇「是と云も仏法流布の国で、
経教をつよく人が読に依て、
呉音に便なぞ」 〔
荀子‐議兵〕
② 大便や小便。特に、大便をさすことが多い。
※
随筆・
独寝(1724頃)上「かくの如く度々すれば、ことごとく便につきて、にほひうするもの也」 〔
漢書‐張安世〕
べん・じる【便】
(サ変動詞「べんずる(便)」の上一段化したもの)
[1] 〘自ザ上一〙 用が足りる。便ずる。
[2] 〘他ザ上一〙 用をたす。便ずる。
※「戦争と平和」論(1947)〈本多秋五〉三「立派な侍僕で、君よりもかへってよく
お父さんの用を便じる」
べん‐・ずる【便】
[1] 〘自サ変〙 べん・ず 〘自サ変〙 用が足りる。便じる。
[2] 〘他サ変〙 べん・ず 〘他サ変〙 用をたす。便じる。
※日葡辞書(1603‐04)「ダイショウヲ benzuru(ベンズル)」
べん‐・する【便】
〘自サ変〙 べん・す 〘自サ変〙 たよりとする。便利なようにする。
※公議所日誌‐一四下・明治二年(1869)五月「互に土人を雇て、使用に便するは、時あって許すべし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
便
糞,糞便.不消化物や腸内微生物,消化管の表面の細胞の剥離したものなどからなる.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の便の言及
【大便】より
…大便は消化過程の最終産物で,肛門から体外に排出される。大便の量は,食物の種類,分量によって異なるが,混合食の成人では1日100~200g,1日1回が普通である。…
※「便」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」