保人[中国](読み)ほにん[ちゅうごく](英語表記)bao-ren

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保人[中国]」の意味・わかりやすい解説

保人[中国]
ほにん[ちゅうごく]
bao-ren

中国,宋代以前にみられる保証人 (中保人,中人などともいう) のこと。売買貸借などの文書には,保人の署名捺印を要したが,注意すべきは,それらが常に担保責任者であるとはかぎらない。単に債務者に向って弁済を督促したり,あるいは債権者=債務者の中間に立って調停斡旋説得し,もっぱら両者間の問題の解決にあたる役目しかもっていないことが少くない。中国旧来の保証制は,債務者が逃亡しないでとどまるべしという債務者の行為不行為を担保するにとどまり,保人は債務者と同一債務を負わず,独立した別種の責任を負う留住保証である点に特色がある。そして万一,逃亡した債務者の捜索連れ戻しに失敗したとき,代償の責任を負うべきものとされたから,支払保証へ移行する可能性を有するものといえる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android