借家法(読み)しゃくやほう

精選版 日本国語大辞典 「借家法」の意味・読み・例文・類語

しゃくや‐ほう ‥ハフ【借家法】

〘名〙 借家人地位強化目的とした法律借家権対抗力借家権の法定更新解約申入期間、造作買取請求権家賃増減請求権などについて規定する。大正一〇年(一九二一)に制定。平成四年(一九九二借地借家法施行に伴い廃止。しゃっかほう。

しゃっか‐ほう シャクカハフ【借家法】

〘名〙 =しゃくやほう(借家法)〔新しき用語の泉(1921)〕

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デジタル大辞泉 「借家法」の意味・読み・例文・類語

しゃくや‐ほう〔‐ハフ〕【借家法】

借家人の権利保護を目的とした法律。大正10年(1921)制定。平成3年(1991)借地借家法に吸収され廃止。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「借家法」の意味・わかりやすい解説

借家法
しゃくやほう

建物の賃借権について、契約自由の原則のうえにたつ民法の規定を修正し、借家人の保護を図った民事特別法。大正10年法律第50号。借地借家法の施行(1992年(平成4)8月1日)とともに廃止されたが、借地借家法施行前に成立した借家契約については、一定の事項(造作買取請求権など)につきなお借家法が適用されるものとしている。借家法は、借地法とともに社会政策的立法であるといわれる。建物の賃貸借に適用され、借家権の対抗力、更新拒絶または解約の制限、法定更新、造作買取請求権など、借家人保護の規定を置き、これらの規定に反する特約で借家人に不利なものは、これを無効とした。

[淡路剛久]

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百科事典マイペディア 「借家法」の意味・わかりやすい解説

借家法【しゃっかほう】

建物の賃貸借について借家人の保護を図るため借地法とともに制定された法律(1921年)。1941年,1966年改正。借家法により民法の規定が大幅に修正され,以下のような特色がある。建物の賃貸借は登記がなくても建物の引渡しにより第三者に対抗できる。期間の定めのある賃貸借の更新拒絶,または期間の定めのない賃貸借の解約の申入れは,賃貸人に自己使用の必要そのほか正当の事由がなければ許されない。しかも更新拒絶は期間満了前6ヵ月から1年内に相手方に通知し,期間満了後に賃借人が使用収益を継続するときにはさらに遅滞なく異議を述べなければならず,解約の申入れは6ヵ月前にしなければならない。賃貸借終了時に借家人に造作買取請求権が与えられる。家賃増減請求権が認められている。借家法は賃借人の居住権の保護という面が強すぎる,との批判もあり,1991年に借地借家法となった。→定期借家権

借家法【しゃくやほう】

借家法(しゃっかほう)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「借家法」の意味・わかりやすい解説

借家法
しゃくやほう

大正 10年法律 50号。借地法と同じく,民法の賃貸借の規定では不安定な地位におかれる建物賃借人を保護するための法律。当初は施行区域が限定されていたが,1941年の改正により,全国に適用されることとなり,66年にも一部改正された。その内容は,建物の賃貸借の登記がなくても建物の引渡しを受けていれば,第三者 (新家主など) に賃借権を対抗できること (1条) ,更新の拒絶がなければ当然更新されたものとみなされること (2条) ,解約申入れは6ヵ月前にしなければならないこと (3条) ,解約の際,賃借人に造作買取請求権を与えること (5条) などのほか,41年の改正により,賃貸人の解約申入れまたは更新拒絶にはみずから使用するなどの正当の事由がなければならないこと (1条ノ2) ,家賃の増減請求権 (7条) ,内縁の妻についての保護規定 (7条ノ2) が設けられた。 91年の借地借家法制定によって廃止された。

借家法
しゃっかほう

借家法」のページをご覧ください。

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改訂新版 世界大百科事典 「借家法」の意味・わかりやすい解説

借家法 (しゃくやほう)

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世界大百科事典(旧版)内の借家法の言及

【借家】より

…建物を賃料を支払って貸借することをいい,〈しゃっか〉とも読む。借家関係を規律する法律として借家法(〈しゃっかほう〉とも〈しゃくやほう〉とも読む。1921公布)があったが1991年に借地借家法に統合された。…

【借家】より

…建物を賃料を支払って貸借することをいい,〈しゃっか〉とも読む。借家関係を規律する法律として借家法(〈しゃっかほう〉とも〈しゃくやほう〉とも読む。1921公布)があったが1991年に借地借家法に統合された。…

※「借家法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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