偏極ビーム(読み)へんきょくビーム(英語表記)polarized ion beam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偏極ビーム」の意味・わかりやすい解説

偏極ビーム
へんきょくビーム
polarized ion beam

核反応実験に用いる入射粒子ビームで,粒子核スピンの向きをそろえたもの。通常,ビーム中の粒子の核スピン方向は可能な方向のすべてに統計的に一様に分布している。イオン源磁場を加え,粒子の外殻電子スピン一方向にそろえ,高周波磁場によって電子のスピンと核スピンとの相互作用を利用して核スピンをそろえる。このようなイオン源を偏極イオン源という。ここから出た粒子を加速器に導くと,偏極ビームを生じる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android