偶像破壊(読み)ぐうぞうはかい

精選版 日本国語大辞典 「偶像破壊」の意味・読み・例文・類語

ぐうぞう‐はかい グウザウハクヮイ【偶像破壊】

〘名〙
偶像崇拝風習をうち破ろうとするキリスト教の啓蒙運動。特に、八、九世紀、ヨーロッパで盛んに行なわれた。また、一般的に、偶像信仰対象として崇める傾向を排除すること。〔訂正増補新らしい言葉字引(1919)〕
② 転じて、偶像的に崇められている世間的な権威を否定し、おとしめること。
学生教養(1936)〈鈴木利貞編〉伝記の学生に対する教養としての意義鶴見祐輔〉六「却って伝記の主人公弱点を多く晒露して、所謂偶像破壊的伝記を作ることである」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「偶像破壊」の意味・読み・例文・類語

ぐうぞう‐はかい〔グウザウハクワイ〕【偶像破壊】

キリスト教で、キリスト・聖母・殉教者などの聖画像を破壊することによって、偶像崇拝の風を排斥しようとする運動。アイコノクラズム
伝統的な権威・因習などを否定し、打破すること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の偶像破壊の言及

【偶像崇拝】より

…キリスト教でも初期には神像の崇拝の可否についての論議がたたかわされ,8世紀から9世紀にかけてビザンティン帝国において大きな闘争がまきおこり,また宗教改革時代にもこの論議がおこったが,神像の意義を正しく評価することによってこれを認めるのがカトリック教会の立場となっている。 偶像崇拝とか,偶像破壊(イコノクラスム)という神像に対する蔑視的用語は,宗教的対象は何によって最もよく表現されるかという宗教思想を背景に持っている。キリスト教会も他宗教制圧に偶像破壊をうたい,偶像崇拝は異教・邪教の同義語とされ,仏教などをも偶像崇拝と断定している。…

※「偶像破壊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android